今、企業内でのメンタルヘルス対策、ハラスメント対策の一つとして注目されているのがEAP(Employee
Assistance Program:従業員支援プログラム)です。
今日の労働環境は、終身雇用制度の崩壊と能力主義・成果主義の導入といった変化だけでなく、最近でも取りざたされている非正規雇用者の増加の問題など不安定な状況が続いています。そんな中、職場におけるうつ病や自殺者の急増など組織そのものに深刻な問題を抱えているケースだけでなく、社員が抱える様々な問題から起こるメンタル不調なども多数発生しており、企業と個人のリスクマネジメントといった視点からも「メンタルヘルス対策」は、重要な課題となっています。そんな中で、EAPは@セーフテイネット(安全網)としての役割Aリスクマネジメント(危機管理)としての役割だけでなく、B経営の補完的役割としても注目されています。
EAPは戦後、米国でアルコール依存症社員や薬物依存症社員の対策として誕生し、社員の精神疾患によって企業が被る損失の改善に多大な成果を発揮したことから徐々に広まっていき、現在ではフォーチュン500企業の約9割がEAPを活用しています。
日本でも1990年代から徐々に大企業等で取り入れる企業も増えてきましたが、問題を多く抱える中小企業等では、その必要性を感じてはいますが、まだ取り入れられてないのが現状。まさにEAPは、これからの広がりに大きな期待が向けられています。
日本では、EAPは、「メンタルヘルス対策」と受け取られていることが多いのですが、本来、EAPは、従業員のパフォーマンスの向上に焦点を置いており、そのため、相談内容についてもメンタル不調だけでなく、ハラスメント相談なども含まれています。
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